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5G活用のリアル(製造・物流・小売)デジタル化始まる

2020年4月1日

サプライチェーンのデジタル化で産業・社会課題の解決

5GはBtoB分野に大きなインパクトをもたらす。
AIやIoTなどのテクノロジーと結びつくことで、あらゆる産業が再定義されていく。
中でも製造・物流・小売業界は、社会を支えるサプライチェーンを形成している上、それぞれの事業が密接に関わり合っている。

製造・物流・小売業界は産業別の国内売上高で約7割を占めている。この分野がデジタル化されれば、他の業界への波及効果も大きい。
日本では少子高齢化の影響で、あらゆる産業の労働力が不足している。特に物流業は深刻で、人手不足による倒産比率は他業種の3倍に達している。また、製造業の設備は20年程度と償却期間が長く、すぐに入れ替えが出来ない。人手に頼らざるを得ないのに、人手が足りない。

どうやって産業を活性化するのか。その解決策のひとつとして5Gに期待が高まっている。

 

業務の効率化・自動化を目指しパートナー連携

製造業では工場のデジタル化に向けた実証実験を開始する。工場に設置されたカメラやセンサーで設備の稼働状況や人の動きなどのデータをリアルタイムに収集し、そのデータをAIで分析する。データ伝送に5Gを活用することで、高精細な映像データや詳細なセンサーデータをこれまで以上に高速かつ安定的にやり取りできる。設備のメンテナンスなど人手に頼らざるを得ない作業の自動化が進み、生産性や安全性の向上につながる。
工場の設備は様々なメーカーが混在していますが、既存の設備に付加して利用でき、製造プロセスの変更もありません。

物流業でも、取り組みの一つとして「トラック隊列走行」の公道実験を行いました。トラック同士が5Gを介して制御情報を共有し、車間距離を自動制御するというもの。人が運転するのは先頭の1台のみで、残り2台は自動運転で追従します。3台のトラックを1台の有人運転で制御できるので、労働環境の改善やドライバー不足の解消につながる。

それ以外にも「コネクテッドカー」の共同研究を進めたり、大手建設とともに建設機械を遠隔操作・自動制御する実証実験を実施。
輸送の効率化は、燃料消費やCO₂排出低減といった環境問題やドライバー不足軽減にもつながる。

2025~2030に向け事例実績を積み上げデジタル化の新しい価値、可能性提供。

ex. 建設機械の自動運転で現場の大幅な効率化を目指す。
遠隔操作と自動制御が可能な建設機械システム

具体的には、建設機械に搭載したカメラ映像などを5Gを活用して伝送し、遠隔操作または自動運転を指示・確認するという実験。
建設現場は山間部など電波状態が良好でない場所も少なくない。この課題に対し、可搬型5G設備を提供。
これにより、設備構築にかかるコストや設置時間を大幅に短縮。映像・制御データの伝送遅延時間も4Gに比べて約10分の1以下に低減され、土砂の掘削、積上、運搬、排土に至る一連の現場作業を安全に行うことに成功。